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2022/9/7

土間の魅力

事務所兼ショールームに玄関からつながる広い土間空間を設け、打ち合わせスペースとして利用しています。

土間と室内を一体的な空間としている
玄関からつながる土間空間 デーブルは当社制作の唯一無二のオリジナル製品

土間の歴史は古く、江戸時代には「土間+小上がり」という様式が多くみられました。近所の人と話したりと、パブリックとプライベートをつなぐ緩衝スペースとして機能していました。また、靴を履いたままでの作業スペースとして利用したり、竈(かまど)や桶を置き、室内と炊事場を分けることで火災の予防を兼ねていました。半屋外空間という、現代の住宅にはあまり見られない中間領域という考えでした。
土間の中には、玄関から裏庭までつながる土間を設ける「通り庭」と呼ばれる様式があり、京都の町屋で見ることができます。京都の町屋は「鰻の寝床」と呼ばれるほど、間口(道路に面する面)が狭く奥に長いのが特徴です。建物も必然的に長細くなります。そのような住居の中、全ての部屋が通り庭に面することで、光を入れたり風を通すために造られました。また靴を脱がずに裏庭に抜けられというのも特徴です。

当事務所兼ショールームでは土間との境に壁を設けず一体の空間としたので、屋外(パブリック)と事務所(プライベート)の中間領域として機能しています。また、視線がつながり一体の空間に感じられますが、事務所部分の天井と段差をつけた傾斜天井としたことで、屋外ー土間ー事務所と空間領域を明確にしました。

近年でも土間が人気になってきたように感じます。室内に一部タイルを設え土間としていることが多いですが、当事務所兼ショールームでは玄関と同じ高さで設計しました。玄関横の趣味に使える場所や、コミュニティの場、LDKから庭へつながる中間領域(半屋外空間)、ダイニングキッチンとは別空間のリビングとしての利用など様々な利用方法があります。薪ストーブも設置し実際に使用します。

土間から室内への上り口にはこだわりの杉板で作成した式台(床より1段低い部分)と、和室とを区切る桧製の格子も設置しています。

一つではない土間の利用方法、家づくりを始める方は一度検討してみてください。